シンガポールで医療費支出の急増が深刻な問題に

シンガポールで医療費支出の急増が深刻な問題になっている。

2013年度に58億シンガポールドルだった医療費は、2018年度には102億シンガポールドルとわずか5年で76%の増の見込みで、高齢化の加速により今後10年で教育支出を追い越すと予想されている。

シンガポールの年金受給可能な65歳以上の人口は、2018年度に79万人に達し全人口の16.6%を占めると推定されているが、さらに2022年には100万人にまで増加する見込みである。また出生率も日本を下回り、今後急速な高齢化による医療費増大は避けられないだろう。

この状況を受け、シンガポール政府は2021年から25年までの間に、消費税率を7%から9%に引き上げることを表明した。医療費だけでなく、軍事費や教育費、テロ対策等の費用も増加している為、増税によりこれらの増加分を補填する予定だ。

また今後5年間でシンガポール政府は6つの国営病院とコミュニティ病院、4つの新しい総合病院、他にも養護施設と高齢者医療センターを建設する予定である。

個人責任や自助努力を基本原理にして設計されたシンガポールの社会保障システムでさえ、急速な高齢化により医療費の増加に歯止めが効かない状態に陥っている。常に素早い対応で、国の方向性を導いてきたシンガポール政府が高齢化問題に今後どのような対応をしていくか注目していきたい。

また、国民皆保険制度、平等な医療提供を基本にしている超高齢社会の日本が今後一層加速する医療費増加の問題にどのような対策をとるのか、他のアジア各国や世界の国々の手本となり得るか、それとも悪しき例となるのかにも注目である。

 

参考: Link