シンガポールへの医療ツーリズムの人気が下降傾向に!?

シンガポールはASEANで有数のメディカルツーリズムの受け入れ国であるが、近年外国人患者の受け入れに減少傾向がみられる。

例えばIHHヘルスケア(三井物産20%以上出資)では2013年の国内と外国人患者の比率が6:4であったのに対し、現在では7:3になっている。またラッフルズメディカルグループでもメディカルツーリズムがここ数年鈍化してきており、これは20171Qの外国人患者の受け入れ数をみても減少している。

この外国人患者の受け入れの減少傾向には幾つか要因が考えられる。

1つ目は近隣のASEAN諸国のメディカルツーリズムの受け入れ強化により競争が激化したことである。タイやマレーシア等のASEAN諸国やインド等もメディカルツーリズムを国家戦略とし強化している上に、シンガポールに比べ価格が安いのも患者にとっては魅力的のようだ。

2つ目は大手病院の海外進出である。以前は海外からの患者をシンガポールに受け入れることに力を入れていたIHHヘルスケアやラッフルズのような大手病院も最近は現地で病院を設立しており、一般的な治療であれば現地の病院で治療し、先進医療や特殊な治療に関してはシンガポールで治療を行うように戦略をシフトしてきている。

しかし上記2つよりも大きな理由としてはシンガポール人の患者自体が増えたことである。シンガポールの高齢化や国民所得の増加により医療に廻せるお金が増えたため、以前に比べて自国の患者が増え、結果として外国人患者の減少してしまったのである。例えば自国の患者を優先し、余裕がある場合は外国人患者も受け入れる公立病院では現在ベットの占有率が82%-97%と高く、外国人患者の受け入れば難しい状態である。

これまで国家戦略の1つとしてメディカルツーリズを推進してきたシンガポールが、今後どのような戦略をとっていくのか興味深い。

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