フィリピン ヘルスケア基礎情報

日本とアジア各国ではヘルスケアにまつわる法律や制度が全く違うため、ヘルストレンドアジアの記事の理解が難しい場合もあるかと思います。そこで理解を深めていただくために「各国ヘルスケア基礎情報」としてアジア各国の医療・介護等のヘルスケア基礎情報をまとめています。

こちらはフィリピンのヘルスケア基礎情報です。

基礎データ

  • 人口 1億10万人  (2014年)
  • 面積 300,000㎢
  • 年齢分布

0-14 years:34.02%

15-24 years:19.18%

25~54 years:36.72%

55-64 years:5.8%

65 years:4.28%

  • 一人当たりの名目GDP 2,872.5 USD  (2014年)
  • 一人当たり総医療費(年間) 122USD (2013年)
  • 病床密度 1.0床 / 1,000人 (2011年)
  • 平均寿命 69歳(M男性65歳 女性:72歳)(2013年)

製薬

医薬品市場の約70%は海外医療メーカーとなっており、医薬品メーカートップ20のうち4分の3を海外のメーカーが占めている。フィリピンの製薬市場は2018年度には約42億米ドルになると予想されており、2013年時点で約33億米ドルの市場規模であり、今後も順調な経済成長を続けると予想されている。
医薬品は大きく輸入超過となっている。具体的には2013時には輸出が約5,200万米ドル(約63億円)に対して、輸入は約9億2,000万米ドル(約1,120米ドル)とかなり差が出ている。
販売代理店は大手2社(Zuellig Pharma, Metro Drug)で流通チャネルのおよそ85%を占めている。また、製造委託において国際標準を満たす国内企業が一つしかないため、医療業界においてフィリピンは生産拠点として扱われることは少なく、東南アジアの他の国への販路拡大のための拠点として扱われている。

病院

フィリピンの医療提供体制は約1,800の医療機関から構成される。(公立:721、保険省管轄医療機関:70、民間医療機関:1,009)公立病院と保険省管轄医療機関は主に貧困層を対象としており、対して民間病院は経済力のある患者をターゲットとしている。
医療機関には3つのレベルあり、レベルが3は教育や救急等の部門を擁している最も優れている医療機関で、レベル1は基本的なサービスを提供する医療機関と定義されている。レベル2の機関にはICUやNICU(Neonatal Intensive Cure Unit:新生児特定集中治療室)などが備え付けられている。公的医療サービスは財源が十分に確保されていない為(医療費全体における政府支出=33%)施設は充実していると言い難い。

介護

フィリピン社会は家族主義で、お年寄りを大切にする文化がある為、日本のような老人ホームや介護施設などはほとんどない。また、国の平均年齢が23歳と若い為、介護が必要な人も少ないと考えられる。

海外進出にあたっての環境

フィリピンでは土地の所有はフィリピン人、またはフィリピン人が資本の60%以上を所有する株式会社などに限定されている。
投資優先計画で「病院・医療サービス」が2012年から新たに加わり、奨励分野に該当する業種は申請を経て、フィリピン経済特区(Philippine Economic Zone Authority)の登録を受けることができる(4~6年の法人税免除・付加価値税(VAT)や輸入関税の免除・通関手続きの簡素化)。
米国、英国、ドイツ、フランスからの進出が多いが、今後多くの企業の進出が増えることが予想される。

医療保険制度

フィリピン健康保健公社(フィルヘルス)により全国規模の公的医療保健が運営されており、政府は全国民をフィルヘルスの被保険者にすることを目指している。保険料徴収の対象は、被用者・自営業者である。また、2013年1月からタバコ税及びアルコール税の85%アルコール税が保健分野の特定財源化された。
貧困プログラムによって「貧困」の指定を受けた者については保険料を国と地方自治体が保障している(保険指定医の診断を受けた者に対して飲み適用される)。
一時は保険加入率90%を超えたが、保険期間が失効してから更新できない人が後を絶たず、加入者数を一定に保つのは非常に難しいため、政府は対応に追われている。
基本的に給付は現物給付方式であり、医療費のうち傷病の程度や医療施設の水準に基づいて定められた一定額が診療費と相殺される。支給額を超える部分については患者の自己負担である。保険の適用はは保健省の認定がある病院の約91%をカバーしている。

その他

日本への介護人材の派遣
急速な少子高齢化が進む我が国日本では、高齢者を介護する為の人材が不足しており、2025年には介護職が100万人不足するとも言われている。その為、2008年に締結した経済連携協定(EPA)によってフィリピンから介護人材の受け入れが始まっている。この制度は日本へ来日し、日本語研修と介護研修を施して日本の国家資格を受験し、合格を目指すものである。
言葉の壁があまりに高く、介護士の試験に関しては日本人の合格率65%に対して外国人は36%。また、看護師の国家試験に至っては日本人の合格率90%に対して、外国人の合格率は10%しかないのが現状である。

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