インドネシア ヘルスケア基礎情報

日本とアジア各国ではヘルスケアにまつわる法律や制度が全く違うため、ヘルストレンドアジアの記事の理解が難しい場合もあるかと思います。そこで理解を深めていただくために「各国ヘルスケア基礎情報」としてアジア各国の医療・介護等のヘルスケア基礎情報をまとめています。

こちらはインドネシアのヘルスケア基礎情報です。

基礎データ

  • 人口 2億4,882万人(2013年)
  • 面積 191,931㎢
  • 年齢分布

0-14 years:25.82%

15-24 years:17.07%

25~54 years:42.31%

55-64 years:8.18%

65 years:6.62%

  • 一人当たりの名目GDP 3,491.9USD (2014年)
  • 一人当たり総医療費(年間)  108 USD(2012年)
  • 病床密度 0.9床/ 1000人あたり (2012年)
  • 平均寿命 71歳(男性:69歳 女性:73歳)(2013年)

製薬

インドネシアの医薬品市場は、2011年時点で約68億米ドルで年平均11.3%と高い成長率で拡大しており、2018年までに約96億ドル(約1兆円)に到達すると言われている。また、製薬会社に対しては最大85%までの出資規制がある。また、販売する医薬品に対して5年以内にインドネシア国内で生産することが義務付けられている。
一部のジェネリックを除き、国による薬価算定はなく、製薬企業とインドネシア国家医薬品食品監督庁(BPOM)との交渉により薬価が決定される。価格に関しては、基本的に先発品との価格差が参考にされ、新製品の場合は、諸外国での価格が参考にされる。ジェネリック医薬品については医療向け価格の上限が設定されている。多国籍企業1社を含む上位7社で国内医薬品市場の4割のシェアを握っている。

病院

中間層の拡大や健康意識の増大によってインドネシアの医療市場は拡大の一途を辿っている。医療サービスに対する需要や、医療サービスを提供する事業者は確実に増えており、今後益々拡大する予想である。インドネシアの病床数は近隣諸国と比べても圧倒的に少なく、国を挙げての増床に取り組んでおり、大手の財閥が医療分野への参入を加速させている。しかし、資本規制の関係で外資による病院建設には制限があり、参入するためには地場企業との提携をし良好な関係を築いてビジネスをすることが必要である。
国土が1万3,466の島々から構成されるという地理的特性もあり。地域間の医療格差は大きな課題である。公的な医療サービスは質が悪いと言われており、最新鋭の設備や優秀な医師は大都市圏であるジャカルタに集中している上、貧富の差が大きく裕福な人たちはシンガポールやマレーシアへ治療を受けに行くなど医療目的で出国する人が多い。

介護

インドネシアは平均年齢が若く、若年層に厚みがある典型的な途上国型の人口ピラミッドとなっている為、現時点で深刻な高齢化に陥っていない。国連によると。2045年頃にインドネシアは高齢化社会に突入し、その頃には高齢者介護に対しての需要が急増すると予想されている。また、インドネシアの中間層以上の家庭ではメイドを雇用していることが多く、高齢者の介護もメイドの助けを借りながら行う家庭が多く、介護サービスに対しての需要は非常に限定的なものである。
介護保険制度は存在せず、年金制度についても一部の民間企業・公務員・軍人を除いて皆無に等しい。怪我や病気・事故に対しての備えも存在しない為、介護保険制度が必要とされるにはまだまだ時間がかかると想定される。

海外進出にあたっての環境

外資系企業が総合病院を運営することは原則禁止されており、参入は「専門病院に限る」など厳しい規制がかけられている。専門病院はマーケットによって対象となる患者の数が異なるため、慎重に参入しなければならない。インドネシアで事業を行うには、生産工場の設立か、国内に既に工場を持つ企業への生産委託を検討して進出しなければならない。(短中期で利益確保が見込めない中、工場を設立することは容易でない)

医療保険制度

インドネシアではこれまでに下記4つの医療制度があった。
・公務員対象:公務員医療給付制度「ASKES」
・民間企業の労働者を保険するものである「労働者社会保障制度」(JAMSOSTEK)
・中央政府運営低所得者向け「社会健康保証制度」(JAMKESMAS)
・地方政府運営低所得者向け「社会健康保証制度」(JAMKESDA)
2014年にそれまであった4つの医療制度を社会保障実施機関(BPJS)が運営するJKNに1本化された。
JKNは2019年に国民皆保険(ユニバーサルカバレッジ)の実現を目指している。
現行の制度は2014年までの医療制度の加入者をそのまま移行させる形でスタートしたが、大半のインドネシア人が未加入者であった。未加入者には保険対象で医療が受けられるというメリットがある反面、医療保険料を負担しないといけないというデメリットな面もあり、低所得者が多いこれら未加入者をどのようにして加入させるかが国民皆保険達成の大きな鍵になる。

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